野球関連のユーキャン新語・流行語大賞の候補は?「アレ」「憧れるのをやめましょう」他

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ヌートバー_大谷翔平_岡田彰布
(時事通信)

12月に発表される「新語・流行語大賞」(ユーキャン新語・流行語大賞)では、毎年野球にまつわる「ことば」がノミネートされ、年度によっては年間大賞を受賞する。2022年も村上宗隆(ヤクルト)を表す「村神様」が年間大賞に選出された。2023年の新語・流行語大賞にノミネートされそうなことばを紹介する。

※見出しの★は11月2日にノミネートが発表された流行語。

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★憧れるのをやめましょう(大谷翔平)

2023年3月に行われた第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の決勝戦が始まる前に侍ジャパンの大谷翔平が、チームメートを鼓舞したメッセージ内にあったことば。

現役バリバリのメジャーリーガーが揃うアメリカ相手となった決勝戦。試合に挑む直前のロッカールームでチームメートたちの前で大谷はスピーチをした。

「僕から一個だけ。憧れるのをやめましょう。ファーストにゴールドシュミットがいたりとか。センター見たらマイク・トラウトがいるし、外野にムーキー・べッツがいたりとか。野球をやっていたら誰しもが聞いたことあるような選手たちがやっぱりいると思うんですけど、今日一日だけは、やっぱ憧れてしまったらね。超えられないんで。僕らはきょう超えるために、やっぱトップになるために来たので。今日一日だけは、彼らへの憧れを捨てて、勝つことだけ考えていきましょう。さあ、行こう」

★アレ, A.R.E(岡田彰布監督)

阪神タイガースの岡田彰布監督が優勝の代わりに用いたことば。阪神のチームスローガンもアレをアルファベット表記で「A.R.E.」となった。スローガンは「エーアールイー」と読みAim(目標)、Respect(尊敬)、Empower(パワーアップ)の頭文字から取られている。

岡田監督が2023年に流行させたアレの起源はオリックス・バファローズの監督を務めていた2010年に遡る。この年、オリックスはセ・パ交流戦で優勝した。当時のオリックスは低迷しており、2000年代は2008年の2位をのぞいてすべてBクラス。優勝を争ったことは一度もなかった。そのため交流戦の優勝が近づいてきたときに選手が意識しすぎないよう、気を引き締めるために優勝ということばを封印。代わりに「アレ」を用いた。優勝後には「アレしてもうた」とプリントされた記念Tシャツも販売された。

★ペッパーミル・パフォーマンス(ラーズ・ヌートバー)

WBCで侍ジャパンの一員として戦ったラーズ・ヌートバー(MLBカージナルス)が、積極的に行った胡椒を挽くパフォーマンスのこと。主にヒットを打った後にベース上で両手で行う。チームメート内で流行し、一部選手はNPBのシーズンでもペッパーミルのパフォーマンスを行った。

日本では「ペッパーミル」で定着したが、MLBでは「ペッパーグラインダー(Pepper Grinder)」と呼ばれることが多く、ヌートバーは自身の所属するカージナルスでも同様のパフォーマンスを以前から行っていた。

このパフォーマンスは「grind」の単語にあるスラングで「粘り強く戦う」「身を粉にする」といった意味になる。

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エンジョイ・ベースボール(慶應義塾高校野球部)

2023年夏の甲子園で優勝した慶應義塾高校野球部の部訓にあることば。部訓ではEnjoy Baseball(スポーツは明るいもの、楽しいもの)とされている。慶応高が甲子園で優勝したことによって大きく取り上げられた。

また、上田誠前監督による著書も「エンジョイ・ベースボール」(日本放送出版協会/2006年5月発売)となっている。

なおエ(エンゼルス)

二刀流でプレーする大谷翔平が活躍しても、エンゼルスが敗れたときに使用されることば。「なお、エンゼルスは敗れた」を省略したもの。「大谷はホームランを放つ活躍。なおエ(ンゼルスは敗れた)」などと用いられる。

「なおエ」自体は2019年頃からSNSを中心としたインターネット上では用いられていたが、テレビなどでも多く用いられるようになった。

もともとは2000年代にイチロー(マリナーズ)が所属していたマリナーズが勝てないことが多かったときに「イチローは3安打を放つ活躍。なおマリナーズは敗れた」の略として「なおマ」がSNS上で流行。そこから派生した。

野球関連のことばで年間大賞を受賞したことば

過去野球関連で年間大賞を受賞したことばは多くある。

年度 受賞語 受賞者
1986 新人類(※流行語部門) 清原和博、工藤公康、渡辺久信(いずれも西武)
1994 イチロー(効果) イチロー(オリックス)
1995 がんばろうKOBE 仰木彬監督(オリックス)
1995 NOMO 野茂英雄(ドジャース)
1996 メークドラマ 長嶋茂雄監督(巨人)
1998 ハマの大魔神 佐々木主浩(横浜)
1999 リベンジ 松坂大輔(西武)
1999 雑草魂 上原浩治(巨人)
2015 トリプルスリー 柳田悠岐(ソフトバンク)、山田哲人(ヤクルト)
2016 神ってる 緒方孝市監督、鈴木誠也(ともに広島)
2021 リアル二刀流/ショータイム 大谷翔平(エンゼルス)
2022 村神様 村上宗隆(ヤクルト)

※1984年から1990年は新語と流行語に部門が分かれ金賞が現在の大賞に相当した。

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著者
Sporting News Japan Staff Photo

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