タパレス勝利の試合内容別オッズ・予想|井上尚弥vsタパレス|12.26 スーパーバンタム級4団体王座統一戦

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Naoya Inoue and Marlon Tapales with world titles
Naoki Fukuda

海外スポーツベッティングでは、ボクシングは人気ジャンルだ。12月26日(火)に有明アリーナで行われる井上尚弥 vs. マーロン・タパレスも注目されている。

大幅不利がつくタパレスにベットするのははばかれるようだが、こと『大穴』党にとっては大チャンス到来。本誌格闘技部門エキスパートのダニエル・ヤノフスキーが、試合内容に関するオッズなどを分析し、タパレスが番狂わせを起こす想定で『大穴』の試合展開を予想する。

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大幅不利のタパレス、穴党のオッズから予想する奇跡の勝ち筋

井上尚弥とマーロン・タパレスは12月26日(火)、有明アリーナで4団体統一王者の座をかけた歴史的な勝負に挑む。この4団体統一戦ならびにアンダーカードは、日本ではNTTドコモの動画配信プラットフォーム『Lemino』(レミノ)で独占無料生配信される。

昨年末、バンタム級で4団体統一王者になったばかりの井上は、この試合に勝てば、わずか1年でボクシング史上4人目となる2階級での4団体統一王座獲得となる。すでに4階級を制してきた井上は、2年半にわたり王座に君臨してきたスティーブン・フルトンを破り、WBC/WBO世界スーパーバンタム級のベルトを手に入れた。井上にとっては、今回のタパレスに対してはこれまで同様に日本開催ということでホームアドバンテージがあるとともに、身長、リーチの面でも数インチのアドバンテージがある。

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元WBO世界バンタム級王者のタパレスは、スーパーバンタム級に上がると即座にインパクトを残した。2019年には暫定王者の座を手に入れ損ねたものの、今年4月のムロジョン・アフマダリエフ戦でWBA/IBF王座を手に入れて見せた。もし今回の試合に勝利すれば、フィリピン人としては初の4団体統一王者に輝く。

米大手ブックメーカー『Bet MGM』によれば、井上が「-1667」で有利、タパレスは「+800」で不利と、井上優勢が伝えられている(このレートはアメリカンオッズと呼ばれ、井上勝利の場合「100ドル賭けた際、取り戻すのに1667ドルかかる」という意味合いになる)。

他社のオッズも含め、業界やファンの大方の予想が井上勝利の中、それでもタパレスが番狂わせを起こすことは決して不可能ではないはずだ。ならば狙うべき大穴ベットはどんなものなのか。

ここでは、タパレスが勝利を収める前提のプロップベット(試合内容別)オッズをもとに、格闘技に広く精通するヤノフスキー記者がスポーティングニュースとして、「超大穴の結末」を予想していく。

井上尚弥 vs. タパレスのプロップベット(試合内容別予想)/タパレス勝利の場合のベストオッズ

1. 試合は最終12ラウンドまで続くか?(「Bet MGM」では、Yesは「+333」)

もう一方の『井上勝利の場合のオッズ・予想記事』でも書いた通り、両者ともにヘビーヒッターであることから、井上 vs.タパレスの試合は長期戦にならないと考えるのが順当だろう。オッズから見ても妥当なところだ。

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タパレスは直近の試合でスプリットデシジョンによって勝利を収めたが、彼の試合が最終ラウンドまでもつれ込んだのは2014年以来のことだった。井上は2019年、あの印象的なノニト・ドネアとの初戦以来、12ラウンドまで戦ったことはない。ノックアウト・アーチスト同士の試合だけに、一瞬で試合が決まってもおかしくない。

井上であればいつでも決着をつけられると考えるが、大穴思考でいけば、最近は長引いた試合も2試合あった(前述のドネア初戦と昨年のポール・バトラー戦)。同様のことはタパレス戦でも起こる可能性がある。もし、同じ流れで試合が長引くようなことがあれば、タパレスとしては、バトラーのように長期戦に持ち込むというのは一手だろう(バトラーは11回でTKOされたが)。

「猪突猛進タイプのタパレスが予想を覆す」という部分にだけ絞れば、最終12ラウンドまで試合が続くというベットは一案だ。勿論、これは勝敗とは別だ。

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2. タパレスがノックダウンで勝利を収める(「Bet MGM」では「+2500」)

井上はそのパワフルなパンチで22勝を挙げてきた。彼がパンチを繰り出せば、そこからあっという間にゲームオーバーになることは、ドネア、バトラー、スティーブン・フルトンら世界王者相手に証明済みだ。もし、タパレスが井上の驚異的なパンチを掻い潜り、勝利を手繰り寄せたとしたらどうだろう?

タパレスが二つのベルトを持っているのにはそれなりの理由がある。難しい局面でもなんとか切り抜けるだけのタフさが彼にはある。2016年のプンルアン・ソー・シンユー戦で、タパレスは5ラウンドにダウンを奪われたが、その後、相手を2度マットに沈めている。4月のアフマダリエフ戦でも打ち合いでひるまず、2-1の判定勝ちをもぎとった。

また、キャリアを重ねるに従いKO勝ちを増やしてきている点は、当て勘の良さの証左でもあるだろう。

今回のオッズを見れば、タパレスの勝利はまさに大番狂わせになるだろう。

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3. タパレスが60秒で勝利を収める(「Bet MGM」では「+25000」)

このプロップはいくらなんでも大穴過ぎるかもしれない。井上はここまでの25戦で無敗を続けてきた。さらに言うと、ここまで一度も倒されたことすらない。しかし、その歴史をタパレスの一撃が変えるかもしれない。

タパレスはこれまで19個のKO勝利を記録、直近の4連勝中の最初の3勝もKO/TKO劇だった。ボクシングでは不可能なことはない。WBO世界バンタム級タイトル奪取や、WBA/IBF世界スーパーバンタム級タイトル奪取も、下馬評を覆す番狂わせを実現させてきた結果だ。もし、PFPキングの座を狙う井上が倒されることがあれば、日本はもとより世界中に衝撃が走るだろう。

来日直後の公開練習では、全く手の内を見せなかったのも不気味だ。モンスター秒殺のための奇策に打って出る可能性もある。

誤解ないように言っておくが、これは超大穴の大博打といっていい。それでも、もしタパレスが番狂わせを起こすと踏んであれこれ賭けるつもりなら、このオッズも一興ではある。ただ、(編注:日本の読者にはおよそ関係ないが)ここに全財産を投じるようなことは決してしないように!

我々の大穴予想を別にしても、タパレスは、『ザ・モンスター』に『ナイトメア(悪夢)』を見せる気満々のはずだ。

※本記事は国際版記事(著者: Daniel Yanofsky)を翻訳し、日本向け情報を追記・編集した記事となる。翻訳・編集:石山修二、編集:スポーティングニュース日本語版編集部 神宮泰暁

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Daniel Yanofsky is a combat sports editor at The Sporting News.

神宮泰暁 Yasuaki Shingu Photo

日本編集部所属。ボクシング・格闘技担当編集者。

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スポーティングニュース日本版アシスタントエディター