日本時間11月5日、F1サンパウロ(ブラジル)GPで今季6度目の『スプリント』が実施される。
2023年シーズンからの「スプリント」と「スプリントシュートアウト」について本誌スペイン語編集部のマウロ・マリアーニ記者が解説する。
直近スプリント実施GP:F1第21戦サンパウロ(ブラジル)GP 2023|日程・開始時刻・放送予定
2021年、F1運営サイドはグランプリの週末をよりエキサイティングにするためにスプリントレースの導入を決定した。最初の2年間は1シーズンに3回のみだったが、今季から6回に拡大された(第21戦サンパウロGPが今季最後のスプリント)。そして、その最初の実施となるアゼルバイジャンGP前に新たなスプリントフォーマットを発表した。
その変更点と「スプリントシュートアウト」について詳しく解説していく。
今季から導入の「スプリントシュートアウト」とは?
2021年と2022年、スプリントフォーマットの週末は、金曜日に「練習走行(FP1)+予選」、土曜日に「練習走行(FP2)+スプリントレース」、日曜日に「決勝レース」というように分けられていた。初日の予選では土曜日のスプリントのスターティンググリッドが決められ、その結果によって日曜日の決勝グリッドが決められていた。
当時の仕様では、例えば予選でポールポジションを獲得したドライバーがスプリントレースで脱落した場合、そのドライバーは最下位スタートになるという不可解なルール(予選が予選の意味を為していなかった)で、この点については関係者からも不評を買っていた。
4月25日に発表された2023年の新しいスプリントフォーマットでは、これが根本的に変更された。
- 金曜日: 練習走行(FP1)と予選が行われる。これはスプリントの予選ではなく、決勝のための予選だ。土曜日のスプリント関連の結果が決勝の結果に影響することはない。
- 土曜日: FP2は廃止され、昼にスプリントシュートアウトが行われる。これがスプリントの予選であり、同日、スプリント本番が開催される。
- 日曜日: 金曜の予選で決まったグリッドにより、決勝レースが実施される。
Sprint Shootout is here! 🍿
— Formula 1 (@F1) April 25, 2023
Imagine qualifying, but even quicker. Every lap counts as Saturday's Sprint Shootout sets the grid for the #F1Sprint
Leaving Sunday's Grand Prix unaffected 🔒 pic.twitter.com/oTVrJIuLvl
スプリントシュートアウト(スプリント予選)は、従来の予選よりも短いセッションとなり、SQ1は12分、SQ2は10分、SQ3は8分となる。タイヤは各予選で新品使用が義務付けられ、SQ1とSQ2はミディアム、SQ3はソフトが使用される。ドライバーのカットラインについては、20人でスタート、15人が続行、10人がフィニッシュと通常予選と変わらない。
これらの変更により、各チームは日曜日のグリッドが危険にさらされることがなくなったため、スプリントレースでより攻めの戦略を採ることができるようになると考えている。
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F1スプリントレースでは、何ポイントが与えられる?
スプリント導入初年度の2021年は1~3位までしかポイントを獲得できなかったが、F1は2022年からこのセッションに対する各チームの関心を高めるために分配率を変更した。
これにより、ドライバーズポイントという形で報酬を得られる順位が大幅に増加した。トップ8でフィニッシュしたすべてのドライバーは、以下のシステムを通じて得点を得ることができる。
決勝レースでの獲得ポイントからすれば小規模なものだが、後半戦になれば僅かなポイント差が年間の順位争いに影響を与える。スプリントレースですべて1位なら、8点x6で48点となりバカにはできない。
- 1位 - 8点
- 2位 - 7点
- 3位 - 6点
- 4位 - 5点
- 5位 - 4点
- 6位 - 3点
- 7位 - 2点
- 8位 - 1点
現地時間10月7日の第18戦カタールGPのスプリントでは、フェルスタッペンは3点以上、つまり6位以上入賞でドライバーズ年間王者が決まる条件だったが、2位入賞で見事3連覇を達成した。
※本記事は本誌スペイン語記事を翻訳後、日本向けの情報を合わせた編集記事となる。翻訳・編集:スポーティングニュース日本語版編集部 神宮
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