メイウェザーが朝倉未来を2回TKOで粉砕、パッキャオも祝福|9.25 超RIZIN試合結果

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Floyd Mayweather wins Mikuru Asakura in Saitama Super Arena
Getty Images

9月25日、さいたまスーパーアリーナで開催された『超RIZIN(スーパーライジン)』で、ボクシング50戦無敗で5階級制覇王者のフロイド・メイウェザー(米国)と、「路上の伝説」朝倉未来によるエキシビションマッチが行われた。

試合は判定なし3分3ラウンドのボクシングに準じたルールで行われ、メイウェザーが2回TKOで勝利した。

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楽勝ムードのメイウェザーは「遊びに来ただけ」と豪語

6月の正式決定の会見から3か月、ついに決戦を迎えたが、メイウェザーは朝倉未来を「いい選手」と評しならも、試合映像を見るなど対策の必要がないと豪語。9月18日の来日直後から爆買とパーティー三昧の日々で、日本には「遊びに来ただけ」と言い放ったこともあった。

公開練習に1時間遅刻したが、約20分間で披露したパンチで天才たる所以を証明。ここでも「楽に金を稼ぎにきた」と吠えた。24日夜の前日会見では、朝倉の「びびっている」という言葉に、「『メイウェザー』と『びびっている』という単語を並べて使うな。3分3ラウンドでなく、無制限でやってもいい」とイラ立ちをみせる場面もあった。

この会見にはサプライズでかつての宿敵マニー・パッキャオ(フィリピン)が登場し、メイウェザーの顔色が変わった。8月にフィリピンを訪れて特別指導を請いに来た朝倉を応援するために来日したというパッキャオだが、メイウェザーと皮肉を言い合うなど静かに火花を散らした。メイウェザーとしても再戦の噂が絶えない宿敵の目の前で、下手な姿は見せられなくなった。

本気になったメイウェザーが2回TKO勝ち

『ABEMA』の中継では、メイウェザーが東京都内のホテルからリムジンで会場のさいたまスーパーアリーナ(埼玉県さいたま市中央区新都心)に向かうシーンも配信されたが、『超RIZIN』オープニングマッチで三浦孝太が一本勝ちしたあと、13時前に会場入り。巨大な控室で大勢の取り巻きに囲まれながら、ゴキゲンな様子でバンテージを巻いたメイウェザーは、2018年の那須川天心戦とは違って、しっかりアップをこなして試合に臨んだ。なお、朝倉のバンテージ巻きにはメイウェザーのスタッフが立ち会った。

グローブは当初8オンスが想定されたが、10オンスが採用された。ボクシングに準じた体重契約のないフリーウェイト制、3分3ラウンド、判定なしで勝敗はKOのみとなる。朝倉は気負いを伺わせない落ち着いた表情で入場し、メイウェザーは「50」の数字があてがわれたスウェットを着てリングインした。君が代斉唱はシンガーソングライターでYouTuberの優里、米国国歌斉唱はクリス・ハートさんが務めた。

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1ラウンド、朝倉は左のジャブで様子を見ながら距離を取り、戦前に話していたようにMMAの動きを使って素早い前後の入りをみせると、ボディストレートを皮切りに、ガードのうえから強烈な右フックを浴びせた。メイウェザーもアップスタイルとショルダーロールを切り替えながら、強打を繰り出した。

2ラウンドも距離を取りながらも下がることのない朝倉は、右ストレートなどメイウェザーの顔面をきっちり捉え、場内もどよめいた。だが、本気になったメイウェザーはきっちり強打を積み重ねる。そして、2ラウンド終了のゴング寸前、カウンターの右ストレートを食らった朝倉が後方にもんどりうってダウン。スリップにもみえたが、朝倉の状態をみて危険と判断したレフェリーがそのまま試合を止め、メイウェザーのTKO勝ちを宣言した。

朝倉はパンチを食らっても無視するという方針を示していたが、メイウェザーのパンチはタフな朝倉も凌駕する結果となった。大会のメインストリーマー『ABEMA』による事前調査では、優勢度ではメイウェザーが61%、朝倉は39%、朝倉が3R以内にダウンするかについては29%がダウンする、71%がダウンしないだった。結果的にTKO負けとなったが、メイウェザーをエキシビションで本気にさせたことは確かだ。

決着直後、メイウェザーは榊原信行CEOやRIZINに感謝すると、リングにあがったパッキャオと笑顔で握手をかわした。そのパッキャオはまた日本に来たいと話した。その後、控室に戻ったメイウェザーは、ドバイでの次戦に触れつつ、2023年にまた日本で戦いたいと語ったが、それぞれ直接対戦を口にすることはなかった。

超RIZINのその他の試合結果:皇治がメイウェザーのボディガードを撃破

『超RIZIN』のオープニングマッチは、元サッカー日本代表の「キングカズ」こと三浦知良の次男である三浦孝太が、MMAルールでブンチュアイ・ポーンスーンヌーン(タイ)を鮮やかな腕ひしぎ十字固めで仕留め、プロ2勝目をあげた。

第2試合では、那須川天心、武尊に続くキック界のスター候補、吉成名高が肘攻撃有りのキックボクシングルールで、日本人ムエタイ戦士としての実力を発揮。33歳のベテランに何もさせずに圧勝を収めた。

第3試合は、メイウェザーのボディガード・ジジが約15kg重い体格を使って組み付きを多用した強引な攻めを見せるも、皇治は的確な打撃で対抗。3ラウンド冒頭で左フックからの乱打で最初のダウンを奪うと、右ストレートでトドメを刺した。試合後にはメイウェザーとの対戦を要求するなど饒舌な口ぶりだった。

メイウェザー vs. 朝倉戦後、第2部『RIZIN.38』の前には、那須川天心もゲストとして参加したヒップホップハーフタイムショーが行われた。

 

『超RIZIN』試合結果

  • MMA特別ルール3分3R・53kg契約
    • 三浦孝太○ [1R 一本勝ち(腕ひしぎ十字固め)] ✕ブンチュアイ・ポーンスーンヌーン
  • キックボクシングルール3分3R(肘有り)・53kg契約
    • 吉成名高○ [1R TKO] ✕バンダサック・ソー・トラクンペット
  • スタンディングバウトルール3分3R・フリーウェイト
    • 皇治○ [3R KO] ✕ジジ
  • スタンディングバウトルール3分3R・フリーウェイト
    • 朝倉未来✕ [2R TKO] ○フロイド・メイウェザー

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著者
神宮泰暁 Yasuaki Shingu Photo

日本編集部所属。ボクシング・格闘技担当編集者。