「生き返れ福留! 」からの「生き返ったぞ福留! 」|第1回(2006年)WBC名場面

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福留孝介
(GettyImages)

これまでの野球世界一を決めるワールド・ベースボール・クラシック(WBC)において、野球日本代表『侍ジャパン』に多くの印象的なあるいは象徴的な場面があった。

そのひとつが「生き返れ、福留! 」こと2006年に行われた第1回大会の準決勝韓国戦における福留孝介の代打本塁打だろう。

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「生き返れ福留! 」からの「生き返ったぞ福留! 」

「生き返れ福留!」は福留が準決勝の韓国戦(ペトコパーク/カリフォルニア州サンディエゴ)で代打として打席に入ったとき、TBSの松下賢次アナウンサーが発した祈りのようなセリフ。その刹那、福留にホームランが飛び出したことで一気に広まった。ベースを回っているときには、「生き返ったぞ福留!」と大絶叫している。

負けたら終わりの準決勝。0-0で迎えた7回1死二塁。どうしても​1点が欲しいその場面で王貞治監督は、今江敏晃の代打として絶不調に陥っていた福留を起用した。福留はそこでこれ以上ない結果を残したのである。

そのシチュエーションと本塁打という結果、そして実況がこれとないタイミングで絡み合い長く語り継がれる名場面となった。

準決勝までの6試合で打率.105

WBCの前年に福留は打率.328、28本塁打、108打点、出塁率.430の成績を残していた。NPBでは押しも押されもせぬNPBを代表する選手だったこともあり、王監督は、初戦から「3番・中堅」で福留を起用する。

しかし初戦の中国戦でこそ本塁打を放ったものの、その後は快音が響かない。1次ラウンドを終えた時点で10打数1安打。2次ラウンドの初戦では打順が5番に下がり2打数ノーヒット。同2戦目からは再び3番に戻り1安打を放ったが、同3戦目では再びノーヒット。3打席目では代打を送られたほど。

2次ラウンドまでの6試合を終えて19打数2安打。王監督は準決勝の韓国戦でついに福留をスタメンから外した。

また不振の福留が立ち直るよう、準決勝の前日には代表のチームメート宮本慎也と谷繁元信が打撃投手を務めていたというエピソードもある。これは福留がYouTubeの名球会チャンネルで語っている。

決勝戦でも代打でタイムリー

準決勝で”生き返った”福留を王監督は決勝のキューバ戦でスタメンで起用しなかった。準決勝と同じようにベンチスタートとなった福留は、9回に代打で2点タイムリーを放ち勝利に貢献。チームを世界一に導いた。

第1回大会で福留の成績は8試合で打率.182(22打数4安打)、2本塁打、6打点。決して満足いく成績ではなかったかもしれない。それでも準決勝の”ここぞ”の場面で一発を放ち生き返り、決勝でも貴重な追加点を叩き出した。たとえ松下アナウンサーの実況がなかったとしても、福留の活躍は記憶に残っていたことだろう。

しかしファンの記憶をさらに色濃いものとしたのは、やっぱり松下アナウンサーの「生き返れ福留! 」の言葉のおかげだ。

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著者
Satoshi Katsuta Photo

かつた・さとし/東京都出身。複数の業界で営業、経営管理を行ったのち2015年に独立。同年よりNPB、MLBなどの記事作成、2022年からメディアのSNS運用など野球関連の業務を行っている。