元英国代表FWが日本代表のW杯を振り返る 「最も優れていた選手と残念だった選手は…」

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Jay Bothroyd J.League Hokkaido Consadole Sapporo
(Getty Images)

サッカー日本代表はカタールW杯でドイツ・スペインを破ってグループを突破し、「死の組」グループEを首位通過したものの、決勝トーナメントではクロアチアに惜しくもPK戦の末に敗れ、悲願の8強入りにはわずかに届かなかった。

カタールでの日本の戦いについて、元Jリーガーで、元イングランド代表ストライカーのジェイ・ボスロイドに評価を尋ねた。

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「日本代表はもう一歩先へ進めた」

PK戦の末に敗れた悔しいクロアチア戦から数日が過ぎ、私は日本代表が今回のワールドカップで歩んだ旅路を振り返って、複雑な気持ちになっている。

大会開幕当初の予想からすれば、今回の結果は満足できるものだったと言えるだろう。その上、ドイツとスペインに勝利したことで、日本サッカーの進歩を証明したのは間違いない。

しかし、森保一監督のクロアチア戦での人選と采配には、がっかりしたと言わざるをえない。日本はもう一歩先に進めたと私は思っている。

ドイツ戦の最初の20分と、試合の締め方はすごく良かった。スペイン戦の後半も同じだ。クロアチア戦では、その良さがまったく見られなかった。

日本のプレーはとても慎重だった。試合開始からすぐに勝ちに行く姿勢が見られなかった。クロアチアは若くないチームだ。もし最初から強くプレッシャーをかけていれば、終盤には疲れ切っていただろう。

三笘薫と浅野拓磨はまたベンチスタートだった。もし彼らが先発していたら、日本が勝っていただろう。

6年間を過ごした国なので、私は日本をイングランドの次に応援していた。正直に言って、今はイングランドが負けたときのような気持ちになっている。日本、ひいてはアジアのサッカー界にとって、特別なものをもたらす大チャンスを逃したように感じる。

それでも、ファンにとっては記憶に残る素晴らしい瞬間がたくさん生まれた。2026年大会に向けて、日本はしばし再建の時期に入るかもしれない。だからこそ、カタールで残した最高の功績を大切にすべきだろう。私が選ぶ、ワールドカップ2022年大会におけるサムライブルーの「表彰」は、以下の通りだ。

ベストモーメント:ドイツ戦での浅野拓磨の決勝ゴール

日本が0-1で負けているとき、私を含めた全員が、最悪の事態を恐れたと思う。だが、後半の日本は素晴らしく、あのゴールで締めくくった。みんながコーナーフラッグに走り、互いに飛び付き合って喜ぶ姿は格別だった。まさにベストモーメントだ。見ていて鳥肌が立った。最高の瞬間だ!

ベストゲーム:日本 2-1 ドイツ

これもドイツ戦だ。理由は単純で、スペインはスタメンを変更してきたのに対して、ドイツはベストメンバーで挑んできたからだ。スペインのメンバーも素晴らしかったが、最終戦でグループステージ突破へ有利な状況だったので、少しメンバーを落としてきた。

日本はドイツやスペインのような強豪と対戦するときこそ素晴らしいパフォーマンスを発揮できる。逆に、同じくらいのレベルの相手に対しては、「実力を出しきれなかった」と思いながら帰ることが多い。クロアチア戦の後は、そのような気持ちだっただろう。

最優秀選手:三笘薫

もう一人の選手と迷うところだが、その選手は「ブレイクした選手」に選出するので、三笘を最優秀選手に選ぶ。交代出場で素晴らしいパフォーマンスを見せ、常にインパクトを残した。途中出場であれほどの違いを生み出す選手を、なぜ次の試合で先発起用しなかったのだろうか。私には理解できない。

どうして60分からの途中交代なのだ。彼はフル出場させるべきだ。最初からピッチに立つべきだし、チームシートで真っ先に名前を書くべき選手だ。ブライトンの選手としてプレミアリーグで成功することは、他のリーグで成功するのとは違う大きな意味がある。

三笘はプレミアリーグに活気をもたらす選手だ。彼は話題になっているし、このままの活躍を続ければ、ビッグクラブから声がかかるだろう。トッテナムのようなクラブがオファーを出しても、私は驚かない。トッテナムは、アントニオ・コンテ監督の好みのウイングバックがいないし、コンテ監督の契約は数年残っている。

ブレイクした選手:堂安律

堂安はチームで突出していた。素晴らしい選手だ。彼はよく動き、広範囲をカバーしながら、得点やアシストも記録した。ここからさらに成長し、フライブルクではチームの構成員の一人ではなく、中心人物としてのキャリアが始まるかもしれない。

輝けなかった選手:鎌田大地

鎌田は十分な活躍をできず、好機も作り出せなかった。大会の終盤、私はなぜ彼がプレーしていたのか、わからなかった。いいプレーで違いを生み出していた三笘を外し、パフォーマンスの悪かった鎌田を起用していたのは、どうしてだろうか。それは彼への肩入れなのか、評判だけで選んだのか。そうでないことを願う。

いいプレーやパスもあったし、高い技術も見られた。昨季のヨーロッパリーグ覇者のフランクフルトで活躍しているを見ているので、鎌田に実力があることはみんな知っている。だが、今回のワールドカップでは試合にいい影響を与えられなかったし、得点やアシストも記録していない。

ベストゴール:ドイツ戦の浅野拓磨のゴール

これも浅野のゴールだ。まず最初に、空中のボールをコントロールしただけで技術の高さがわかる。相手ディフェンダーを抑えたがx、その時点でゴールが決まるコースは一つしかなかった。もし逆サイドに低めのシュートを放っていたら、キーパーに防がれていただろう。ニアサイドの高めに放つしかなかったし、ドイツのゴールキーパーは史上最高選手の一人、マヌエル・ノイアーだ。ここしかないという場所に蹴り込んだ。だからこれをベストゴールに選出した。技術、スピード、パワー、そして正確性を兼ね備えたゴールだった。

森保一監督の評価:10点満点中6.5点

正直に言おう。日本がグループステージを突破するとは思っていなかった。ドイツに負け、コスタリカに勝利したあと、スペイン戦で勝ち点が奪えるかどうかだと思っていた。結果的に私の予想は間違っていて、日本は勝ち点6を獲得した!だから私は森保監督に6.5点をつけたい。あのグループを突破したのは、大きな偉業だ。

7点以上をつけられないのは、クロアチア戦で大チャンスを逃したからだ。もし準々決勝まで進み、世界屈指の強豪ブラジルと対戦することになっていたら、8点か8.5点になっていただろう。彼は期待を超えてくれたが、今の私はがっかりした気持ちでいる。


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著者
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Former England international, Premier League and J-League striker Jay Bothroyd is a columnist for The Sporting News, offering his expert take on the world of football.