【WBC 2023総括】大舞台での強さを証明した大谷翔平の凄さと大会自体の飛躍

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Shohei Ohtani Japan 大谷翔平
(Getty Images)

野球日本代表・侍ジャパンが3大会ぶり3度目の優勝を果たした第5回ワールド・ベースボール・クラシック(2023 World Baseball Classic™|以下WBC)は、大盛況のまま幕を閉じた。印象的だったのが、大会自体の盛り上がりと、大舞台での勝負強さをついに示した大谷翔平の活躍ぶりだ。

本誌『スポーティングニュース』のライアン・フェイガン記者が、今大会で見られたこの2つの注目すべき事象について綴る。

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今大会で最も注目すべき2つの事象

ワールド・ベースボール・クラシック(以下、WBC)はこれ以上ないほどのドラマティックな結末を迎えた。世界のスーパースターである大谷翔平がロサンゼルス・エンゼルスのチームメイトであるマイク・トラウトを三振に斬って取った。あの鋭く曲がったスライダーはけっして忘れられることなく、歴史に残るだろう。

これが決勝戦の最終打席となり、日本は3度目となるWBCタイトルを獲得した。2009年以来、14年ぶりのことである。2度以上WBCで優勝した国はほかにない。

2023年のWBCは2006年と2009年の大会と少しだけ共通点がある。いずれも日本が優勝したことだ。それは良いことではあるが、今年のイベントで最も注目すべき点は以下の2つである。

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選手の本気度、視聴率、SNSで大きく飛躍した2023年のWBC

WBCがついに大きな注目を集めるようになったことは、ありとあらゆる現象が示している。

アメリカ国内に住む人々にとっては、直近のWBCタイトル(2017年)をアメリカ代表チームが勝ち取ったことの余熱が作用していたのかもしれない。あるいは2021年に予定されていたイベントがパンデミックのために2年間の延期となり、復活したWBCが、世界が正常に戻りつつあることを象徴したせいかもしれない。それらすべてがタイミングよく重なったせいかもしれない。

しかし、ほかにも大きな理由がある。出場した選手たちの「本気度」がより強く感じられたことだ。

ほかに相応しい言葉が思いつかない。マイク・トラウトは昨年夏に早々と参加を表明した。ノーラン・アレナドとポール・ゴールドシュミットはすぐに続いた。その後も大物選手が次々と参加を表明し、そしてそれはアメリカだけの話ではなかった。ドミニカ共和国、ベネズエラ、プエルトリコはいずれも超豪華メンバーを揃えた。メキシコにも史上最高のメンバーが結集した。ほとんどの国がそうだったのだ。

彼らスター選手たちは純粋にWBCを楽しみにしていた。参加を強制されるわけではなく、真剣なふりをするというようなこともなかった。そして試合が始まると、興奮はさらに高まった。ビッグプレイが生まれ、熱戦が繰り広げられ、4つの会場には大観衆が詰めかけた(そうではなかった試合もあったが)。

とくに日本において、テレビの視聴率は信じがたい数字を記録した。

「日本国内の家庭にあるテレビの48%がWBC準々決勝の日本対イタリア戦を観戦した。侍ジャパンがこれまでに記録した最高の視聴率となった」

ソーシャルメディアの数字も誰も予想できなかったほど大きくなった。

こうした現象は本来なら何年も前からWBCが実現することを期待されていたことだ。そして2026年のイベントはさらに成長しなくてはならない。

次の契約での市場価値をさらに高めた大谷翔平

アーロン・ジャッジには悪いが、地球上最高の野球選手は大谷翔平だ。大谷は緊張感のある試合を何年も望んでいた。優勝を争うチームでプレイしたいと話したこともある。その経験を大谷はエンゼルスではいまだに得られていない。しかし、WBCでそれが実現した。そして、大舞台にも強いことを世界に証明したのだ。

打者・大谷の成績は、7試合で打率.435、出塁率.606、長打率.739、9得点、8打点、そして本塁打1本だった。

投手・大谷の成績は、3試合に登板し、9回2/3を投げ、2勝、1セーブ、防御率1.86、そして奪三振11個だった。その奪三振数には、もちろん優勝を決めたマイク・トラウトから奪ったものも含まれる。

さらにこんな数字もある: 

「繰り返します。2023年WBCで大谷は、
- 大会最速の打球:時速191 km
- 大会最速タイの速球:時速164km
- 大会最長タイの飛距離の本塁打:136.6m
を記録した」

まさしく、信じられない選手だ。その大谷は2023年シーズン終了後にフリーエージェントになる。エンゼルスに残ることはないだろう。その代わり、常にポストシーズンで戦うことができるチームを探すに違いない。

フリーエージェントでの市場価値はどれほどになるだろうか。大谷が健康を保てば、総額5億ドル(約650億円)を越えることはほぼ間違いないと思われる。

そして驚くなかれ、この金額でも大谷の場合はバーゲン価格なのだ。

原文: The two biggest takeaways from an incredible 2023 World Baseball Classic
翻訳:角谷剛

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著者
Ryan Fagan Photo

Ryan Fagan, the national MLB writer for The Sporting News, has been a Baseball Hall of Fame voter since 2016. He also dabbles in college hoops and other sports. And, yeah, he has way too many junk wax baseball cards.