FIFA女子ワールドカップの主要記録:最多得点・最多勝・最多出場

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Marta of Brazil, Carli Lloyd of USA, Christine Sinclair of Canada split
Getty Images

32か国が世界の頂点を目指すFIFA女子ワールドカップ(W杯)2023がオーストラリアとニュージーランドで開催される。どの主要大会もそうだが、今大会でも新たな記録が生まれるかもしれない。

クリスティン・シンクレア(カナダ)、マルタ(ブラジル)、アレックス・モーガン(アメリカ)といった女子サッカー界のレジェンドたちは、今大会でもそれぞれ記録を伸ばそうとするだろう。

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『スポーティングニュース』では、1991年に始まった女子W杯の歴史における主要な記録を振り返った。

女子ワールドカップ最多得点記録

1試合の最多得点記録

女子W杯の歴史で、1試合に4得点以上を記録したのは過去に3選手。そのうち2人がアメリカのミシェル・エイカーズモーガン。それぞれ5ゴールの最多記録を打ち立てた。

もうひとりは、オーストラリアのサム・カー。2019年のジャマイカ戦で4ゴールをあげている。女子W杯の歴史で唯一の1試合4得点だ。

日付 選手 対戦相手 スコア 得点(PK)
1991年11月24日 ミシェル・エイカーズ アメリカ 中国 7-0 5(1)
2019年6月11日 アレックス・モーガン アメリカ タイ 13-0 5
2019年6月18日 サム・カー オーストラリア ジャマイカ 4-1 4

1大会の最多得点記録

1大会の最多得点記録は、第1回大会から更新されていない。

1991年大会でアメリカのエイカーズは準々決勝の中国戦で5ゴールをあげるなどし、大会通算10ゴールを記録した。他を大きく引き離す数字で、8ゴール以上を決めた選手はほかにいない。

選手 得点
ミシェル・エイカーズ アメリカ 10 1991
シシー ブラジル 7 1999
スン・ウェン 中国 7 1999
ビルギット・プリンツ ドイツ 7 2003
マルタ ブラジル 7 2007

女子ワールドカップの通算最多得点記録

国際試合における通算最多得点記録はシンクレアが持っているが、W杯の通算最多得点記録は別の選手のものだ。ブラジルのレジェンド、マルタである。

マルタは2007年大会で7ゴールをあげており、W杯通算では17ゴール。2023年大会はマルタにとって最後のW杯出場になると見られ、この舞台でさらに記録を伸ばせるかもしれない。

選手 得点
マルタ ブラジル 17 2003, 2007, 2011, 2015, 2019
ビルギット・プリンツ ドイツ 14 1995, 1999, 2003, 2007, 2011
アビー・ワンバック アメリカ 14 2003, 2007, 2011, 2015
ミシェル・エイカーズ アメリカ 12 1991, 1995, 1999
クリスティアーネ ブラジル 11 2003, 2007, 2011, 2015, 2019
スン・ウェン 中国 11 1991, 1995, 1999, 2003
ベッティナ・ビーグマン ドイツ 11 1991, 1995, 1999, 2003

女子ワールドカップ最多勝記録

最多勝選手

トップはアメリカのクリスティン・リリー。優勝も経験したその伝説的なキャリアで、W杯通算24勝をあげている。

リリーはW杯通算出場試合記録と通算出場時間記録も保持している。また、クリスティ・ランポーンとともにW杯で3位以内が5回と、メダル獲得数も最多の選手だ。

リリーとランポーンはそれぞれ優勝2回。だが、ランポーンは2回の3位のほか、2011年大会で準優勝を経験している。リリーは優勝以外に3位が3回だ。

最多勝監督

女子W杯の歴史で最も勝利を収めた監督は、ノルウェー人のエベン・ペレルッド。カナダとノルウェーを率いて通算25試合を戦い、16勝をあげている。いずれも大会記録だ。1995年大会でノルウェーを優勝に導いた。

元アメリカ代表監督のジル・エリスは、女子W杯の歴史で唯一となる複数の優勝を成し遂げている。男女問わず、W杯で連覇を成し遂げたのは、エリス以外にもうひとりしかいない。2015年大会と2019年大会で連覇を果たすなかで、エリスは通算13勝をあげている。

女子W杯の最年少優勝記録を持つ指揮官は、1991年の第1回大会を制したアメリカのアンソン・ドーランス(40歳)。一方、最年長優勝記録は、2011年大会で戴冠を果たした日本の佐々木則夫(53歳)だ。

最多勝チーム

女子W杯で最も多くの勝利を収めているチームはアメリカだ。また、アメリカは優勝回数も4回。2位(2)の2倍のトロフィーを手にしている。

さらに、アメリカは大会通算得点でも138ゴールと最多。ただ、1試合あたりの得点数では、通算121ゴールのドイツと並んでいる。

女子W杯における勝利数でトップ5入りしているのは、アメリカのほかに、ドイツ、ノルウェー、スウェーデン、ブラジル。通算得点記録でもそれぞれ同じ順位だ。

これらの5か国はいずれもオーストラリアとニュージーランドで開催される2023年大会に出場。さらに記録を伸ばす可能性がある。

大会出場 勝利 勝率 得点
アメリカ 8 40 80% 138
ドイツ 8 30 68% 121
ノルウェー 8 24 60% 93
スウェーデン 8 23 58% 71
ブラジル 8 20 59% 66

女子ワールドカップにおけるハットトリック

女子W杯の歴史でハットトリックは通算24回記録されている。ただ、決勝トーナメントでの達成はそのうち3回だけだ。

史上初のハットトリックは、1991年の第1回大会にイタリアのカロリーナ・モラーチェが記録した。

アメリカのカーリ・ロイドは、女子W杯の歴史で唯一となる決勝でのハットトリックを達成している。日本を下した2015年大会のファイナルだ。

ジャマイカは1大会に異なる3チームとの試合でハットトリックを許した唯一のチーム。2019年大会にブラジルのクリスティアーネ、イタリアのクリスティアーナ・ジレッリ、オーストリアのカーにハットトリックを達成された。エクアドルも2015年大会に3つのハットトリックを許したが、そのうち2つは同じスイス戦で許したものだった。

日付 選手 対戦相手 スコア 得点(PK)
1991年11月17日 カロリーナ・モラーチェ イタリア 中国 5-0 3
1991年11月24日 ミシェル・エイカーズ アメリカ 中国 7-0 5 (1)
1991年11月27日 カリン・ジェニングズ アメリカ ドイツ 5-2 3
1995年6月6日 クリスティン・サンドバーグ ノルウェー ナイジェリア 8-0 3
1995年6月10日 アン・クリスティン・アーロネス ノルウェー カナダ 7-0 3
1999年6月19日 シシー ブラジル メキシコ 7-1 3
1999年6月19日 プレチーニャ ブラジル メキシコ 7-1 3
1999年6月23日 スン・ウェン 中国 ガーナ 7-0 3
1999年6月24日 インカ・グリンクス ドイツ メキシコ 6-0 3
2003年9月20日 大谷未央 日本 アルゼンチン 6-0 3
2007年9月10日 ビルギット・プリンツ ドイツ アルゼンチン 11-0 3
2007年9月10日 ザンドラ・スミセク ドイツ アルゼンチン 11-0 3
2007年9月20日 ラグニルド・グルブランセン ノルウェー ガーナ 7-2 3
2011年7月1日 澤穂希 日本 メキシコ 4-0 3
2015年6月7日 セリア・シャシッチ ドイツ コートジボワール 10-0 3
2015年6月7日 アーニャ・ミッターク ドイツ コートジボワール 10-0 3
2015年6月8日 ガエル・エンガナムイ カメルーン エクアドル 6-0 3 (1)
2015年6月12日 ラモーナ・バッハマン スイス エクアドル 10-1 3 (1)
2015年6月12日 ファビエンヌ・ハム スイス エクアドル 10-1 3
2015年7月5日 カーリ・ロイド アメリカ 日本 5-2 3
2019年6月9日 クリスティアーネ ブラジル ジャマイカ 3-0 3
2019年6月11日 アレックス・モーガン アメリカ タイ 13-0 5
2019年6月14日 クリスティアーナ・ジレッリ イタリア ジャマイカ 5-0 3 (1)
2019年6月18日 サム・カー オーストラリア ジャマイカ 4-1 4

女子ワールドカップ出場記録

最多大会出場記録

トップに立つのはブラジルのレジェンド、フォルミガ。唯一の7大会出場を果たしている。これは男女問わずして歴代最多の記録だ。

続くのは、日本の澤穂希。通算6大会出場は、これも男子では未達成の記録である。

3位は出場5回で多くの選手が並ぶ。そのうち4選手が2023年の今大会でさらに記録を伸ばす見込みだ。

選手 大会出場
フォルミガ ブラジル 7 1995, 1999, 2003, 2007, 2011, 2015, 2019
澤穂希 日本 6 1995, 1999, 2003, 2007, 2011, 2015
クリスティン・リリー アメリカ 5 1991, 1995, 1999, 2003, 2007
ビルギット・プリンツ ドイツ 5 1995, 1999, 2003, 2007, 2011
クリスティ・ランポーン アメリカ 5 1999, 2003, 2007, 2011, 2015
マルタ ブラジル 5 2003, 2007, 2011, 2015, 2019
クリスティアーネ ブラジル 5 2003, 2007, 2011, 2015, 2019
クリスティン・シンクレア カナダ 5 2003, 2007, 2011, 2015, 2019
オノメ・エビ ナイジェリア 5 2003, 2007, 2011, 2015, 2019

太字は現役選手

最多試合出場記録

国際試合の最多出場記録を持つアメリカのリリーが、女子W杯の最多出場試合でも記録を保持している。5大会で通算30試合出場。リリーは代表キャップ数が354と、男女問わず歴代最多だ。

現役選手では、カナダのシンクレアとブラジルのクリスティアーネが上位につけ、今大会で記録をさらに伸ばそうとしている。

選手 試合数 大会
クリスティン・リリー アメリカ 30 1991, 1995, 1999, 2003, 2007
フォルミガ ブラジル 27 1995, 1997, 2003, 2007, 2011, 2015, 2019
アビー・ワンバック アメリカ 25 2003, 2007, 2011, 2015
カーリ・ロイド アメリカ 25 2007, 2011, 2015, 2019
ジュリー・ファウディ アメリカ 24 1991, 1995, 1999, 2003
澤穂希 日本 24 1995, 1999, 2003, 2007, 2011, 2015
ビルギット・プリンツ ドイツ 24 1995, 1999, 2003, 2007, 2011
ジョイ・フォーセット アメリカ 23 1991, 1995, 1999, 2003
ミア・ハム アメリカ 23 1991, 1995, 1999, 2003

最年少&最年長出場記録

女子W杯の歴史で最年少出場記録を持つのは、ナイジェリアのイフェアニ・チエイネ。1999年大会の北朝鮮戦に16歳34日で出場した。チエイネはW杯3大会出場を含め、9年の国際キャリアで61キャップ、15ゴールを記録したが、2019年に病気のため36歳の若さでこの世を去っている

なお、女子W杯予選では、驚きの最年少記録が存在する。2009年のヨルダン戦でキルギスのAlina Litvinenkoがわずか13歳131日でピッチに立った。

一方、女子W杯の最年長出場記録は、2019年大会のフランス戦に41歳112日で出場したブラジルのフォルミガだ。

ただ、女子W杯予選の最年長出場記録は2010年のトルコ戦に49歳110日で出場したマルタのTonina Dimechとなっている。

原文:FIFA Women's World Cup records list of most popular marks and milestones in tournament history(抄訳)
翻訳:スポーティングニュース日本版編集部

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著者
Kyle Bonn Photo

Kyle Bonn is a soccer content producer for The Sporting News.