メイウェザーがデジを6回TKO、皇治は秘蔵っ子とドロー|Global Titans試合結果

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Floyd Mayweather
(Waleed Zein/Anadolu Agency via Getty Images)

日本時間11月14日未明、アラブ首長国連邦(UAE)の首都ドバイでエキシビションボクシングイベント『Global Titans』(コカコーラ・アリーナ)が行われ、50戦無敗の元5階級制覇王者フロイド・メイウェザー(米国)が、チャンネル登録者1070万人の英人気YouTuberのデジを6回TKOでくだした。日本から参戦したキックボクサー・皇治はメイウェザーの「刺客」でプロボクサーのジャハン・イングラムと打ち合いドローとなった。

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メイウェザー、エキシ初負傷もエンターテインメントに

2018年大晦日の那須川天心戦以来、エキシビションマッチビジネスで荒稼ぎする「マネー」が、9月の朝倉未来戦以来となる、今年3試合目にして顔に傷を負ったが、メイウェザーにとってはそれすらエンターテインメントだった。

海外大物アーティストよろしく、予定より30分近く遅れて登場したメイウェザー。試合は、2分8ラウンド、75kg契約だったが、メイウェザーは70kg、相手のデジは79.5kgと大きな体重差があった。

メイウェザーは5ラウンドまではノーガードでおどけたり、ダンスを踊ってみせたり、オーソドックスからサウスポーにスタンスを変えてみたりと、試合を引き伸ばしていたが、6ラウンドになった途端に豹変。出だしのワンツーからデジを一気にコーナーに追い込むと、猛ラッシュを浴びせ、TKOとなった。

試合後、メイウェザーはデジに大会記念ベルトを進呈し、ファイトを労った。デジが単に5ラウンドの間、何もできなかった訳ではないからだ。

試合中、デジのパンチによってメイウェザーの左目下がカットしたと思われる場面があり、試合後も赤く腫れていた。英ボクシングメディア『Seconds Out』が公開した試合後の記者会見で、この傷を振り返ったメイウェザーは、「デジが良いショットを決めてきた。この傷は戦いの一部であり、娯楽の一部でもあるんだ。みんな(そういう)エンターテイメントを観たかったはず。今夜は楽しめた」とゴキゲンだった。

現役時代から完璧なデフェンス術で顔に傷を負わないことから、「プリティボーイ」の異名もとっていたメイウェザーは、エキシビション戦でも無傷で勝利を重ねていたが(自身より大きいローガン・ポール戦を含め)、今回初めての傷を負ったことになる。

今大会には、タイソン・フューリーの異母弟トミー・フューリー(英国)と試合後にやりあったジェイク・ポール(米国)がゲスト解説で登場したほか、デジの控室には、YouTuberボクサーの兄KSI(英国)が応援に駆けつけた。さらに、ジェイクと対戦した元UFC王者の総合格闘家タイロン・ウッドリー(米国)もゲストで登場するなど、エキシビション系(あるいは異業種対決系)ボクシングシーンの主要人物たちが揃っていた。

格闘技ファンからは反発はありながらも、巨額のマネーを稼ぎ出すエキシビションボクシングシーンは、来年以降もメイウェザーを頂点として世間を騒がせることになりそうだ。

皇治が「本職」イングラムと好試合も仕留めきれず

RIZINなどで活躍するキックボクサーの皇治は、メイウェザーの「刺客」と熱戦の末にドローとなった。

「マルコメ(メイウェザー)」戦実現を目指す皇治は、メイウェザーのスパーリングパートナーで、秘蔵っ子として指導を受けるジャハン・イングラム(米国)と、契約体重65kg、3分3ラウンド制で対戦。師匠譲りのスピードとテクニックを披露したイングラムに打ち込まれる場面もあった皇治だが、コーナーに追い込むなど見せ場も作った。

伸び盛りの本職プロボクサー相手に健闘をみせるも、仕留めきることができず、ドロー決着。試合後には自身のSNSアカウントにファンへの感謝と、KOできなかったことを詫びる内容を投稿。「才能もなかろうが例え1人やろうが俺は挑み続ける」と綴り、目標であるメイウェザー戦への挑戦を続けることを誓った。

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著者
神宮泰暁 Yasuaki Shingu Photo

日本編集部所属。ボクシング・格闘技担当編集者。